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バンクーバー国際空港に到着したのは、現地時間7月6日10時45分頃でした。乗務員の方たちも忙しく降りてきました。ご苦労様です。
飛行機を降りて、集合します。少しお疲れのようですが、9時間近くのフライトを経て、ピンピンしている方が不思議なわけで。反応としては正常かと思います。気流の悪いところを多く通過したようで、機内はよく揺れました。これも疲労に影響しているかもしれません。
大変美しい空港です。至る所に水が流れています。水没して注目を集めようと躍起になる目立ちたがり屋の修学旅行生にとっては、うってつけの演出ポイントが多数設けられています。今回の語学研修参加生徒からは、そうした自暴自棄なボケに進む者は現れませんでした。
油と小麦の香りに包まれて、「カナダといえばこの匂い」と、添乗員さんが一言。メープルシロップのような甘ったるい香りは、身勝手なレッテル貼りでした。
入国審査の待機列。事前に記入は済んでいるので、すぐに待機列に入ります。すると、しっかりと記入してあるのかと注意喚起をしてくる警備員たちが登場します。これに対し、「already」の一語で片付ける添乗員さんが、最高にかっこいいと感じました。こうして私は「already」に強烈な憧れを抱いたわけであり、早く「already」を言いたくて仕方がないのであります。
入国審査は、伝授された渡航理由「homestay program」をかっこよく言って、無事にクリア。次は荷物の受け取りです。
と思った瞬間、すでに荷物の受け取りを終えている人物を発見しました。流れていってしまった荷物を追ったり、荷物の姿を確認できずバタバタする人がいる中、ただ一人落ち着いている。極めて落ち着いている。「Japanese shinobi」もびっくりである。人を待たせない意識、すばらしいよ。集団行動において、できる限り周囲より遅れないという意識はとても大切だと感じます。歩いている間に前との間隔が広がっていってしまう事態がしばしば見受けられました。まとまらなくてはいけないとき、すぐにまとまることができる意識付けを心がけたいものです。
次に、バスに揺られてフェリー乗り場まで向かいます。飛行機の遅れにより、急ぎ足で空港を脱出します。バスは新車のいい香りがしました。左ハンドルの右側通行ですので、かなり動揺します。
バスがフェリー乗り場に到着しました。移動時間は30分程度でした。隙間時間を活用して睡眠に励みました。バスを降り、乗り場に移動します。
フェリーですので、車のまま乗船する人もいます。車の待機列がありました。半数程度が日本のメーカーの車であると気づいた生徒がいて、国内メーカーを誇らしく思いました。時間内に乗り切るのでしょうか。と言ってみたものの、大して心配にはなりません。
荷物を預け、乗船します。男たちは荷物の預け入れで、力仕事をお手伝いしました。私も頑張りました。スーツケースが滑って降りるレールの劣化が激しく、粉まみれになりました。粉による薄化粧を終えて、いよいよ乗船完了です。かなり忙しい移動にはなりましたが、飛行機の遅れをこの段階で取り戻すことに成功しました。思い返せば、カナダに到着してからの移動だけで、現地スタッフの方、運転手さんにたくさんお世話になりました。様々な人の助けがあって、我々ジェットラグ一行はやっとのことでフェリー乗船まで漕ぎ着けました。めまぐるしく出会いと別れが繰り返され、旅の切なさを感じるとともに、一期一会の大切さを痛感しました。生徒たちはどこでもお礼の言葉を投げかけ、感謝の気持ちを伝えようとしていました。私も頑張りました。不慣れな「Thank you.」に対して、想像を超える完成度の「Your welcome.」が返ってきて、歓喜しました。不格好でも精一杯やればいいの。出国前に、国際交流委員長の早川教諭より、「次に会えるかもわからないので、一緒にいる時間を大切にしてほしい」というお話をいただきました。その通りであると実感しました。これからホストファミリーと対面します。より一層出会いを大切にする意識が、生徒たちに芽生えてくるはずです。
さて、乗船してカナダ気分を最高に盛り上げてくれたのが、この自動販売機。少なくとも5組程度のカナディアンが購入を試みていましたが、飲み物を出すことは一度もありませんでした。見ていて、残念な気持ちになりましたが、噂に聞く徴収に特化した自動販売機に出会えて光栄でした。自動販売機とは、便利を求めて少し高めの価格設定にも納得して購入できる販売形態のように思います。便利の代償があまりに大きすぎます。まさかの出てこない。
中には、役割を果たせなかった缶やペットボトルたちが散らかっています。日本の自動販売機は勤勉です。
生徒の中には、カナダドルではじめてのおつかいを済ませた者もいました。立派です。美味しそうにポテトチップを頬張っています。現地時間ではお昼真っ盛り。夕飯まで何も食べられないので、何かお腹に入れておいたほうがいいですね。厚切りだと連呼していました。
フェリーはバンクーバー島を目指します。サラサラと水面を滑るように移動していきます。4階建てくらいの大きな船体ですので、大きく揺れることはありません。
デッキに出てみました。陸上ではさわやかだった風が、突風になって襲いかかります。フェリーがどれだけ高速で進んでいるかが、よく分かります。中から眺めるくらいがいいかもしれません。冷たい風が身を刺す中、何とか笑顔を向けてくれました。撮影を済ませて、全速力で船内へ逃げます。
1時間半程度で、バンクーバー島に到着しました。仮眠をとったり、船内を散策したり、カフェテリアで食事をしたり。そして何より、自動販売機の暴挙を目の当たりにしたり。充実した船旅でした。
フェリーを降りたら、バスでグレンライオン校へ向かいます。おっと、バスの車内でチェリーパイを食べるリーダーを発見。彼はこの語学研修のリーダー的存在なのです。もちろん、バスの運転手さんには了承をいただいています。彼は出発5分前に船内のカフェテリアでサラダとチェリーパイを購入し、船内で食べそびれてしまったチェリーパイを箱に入れて持ち出してきたのでした。間違いなく英断でした。かくいう私も、ベーコンチェダーバーガーを船内からお持ち帰りしました。フライドポテトが刺激的なボリュームで、気づいたらバーガーに手を伸ばすほどの余裕がなくなっていました。陸が近づいてきたときは、二人して意味もなくバタバタしました。そして、時間切れがやってきました。到着を察し、せかせかとバーガーとチェリーパイをまとめる生徒と教員。なかなか風情があります。グレンライオン校まではバスで40分ほどかかるとのことなので、二人してチェリーパイとベーコンチェダーバーガーを安心して頬張りました。ボリュームは想像の斜め上。心に留めておきます。
これから研修でお世話になるグレンライオン校へ向かいます。バスの車内では、現地スタッフのカナさんによるホームステイプログラムの案内がありました。さてさて、グレンライオン校に着いたら、ホストファミリーとご対面。緊張が高まってまいりました。非常に緊張しております、私が。