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2019年度カナダ語学研修1日目「旅立ち」

2019.7.7

中・高共通関連

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2019年度カナダ語学研修が始動しました。本年度引率職員の原田と申します。研修中の出来事や生徒の様子をお伝えいたします。よろしくお願いします。

思い起こせば、私が中学校在学中にカナダへの語学研修に参加することを検討したことがありました。あらゆる社会的役割を捨て去り、生身の自分の可能性を確かめてみることに興味があったのだと記憶しています。

ところが、私は語学研修への参加を断念しました。説明会において、朝食や昼食をフルーツ一つで済ませることもある、といった食文化に関する紹介がされました。食べ盛りの私にとって、これは重大な問題でした。「りんご一つで腹を満たすことができるのか。」この考察に脳内を支配されたとき、私の頭にはすでに語学研修の四文字は残っていなかったのです。

もちろんこの紹介は、あくまでも一例であったでしょう。お腹が空いていることを伝えられれば、おそらく問題なく食事にありつけたでしょう。さらに言えば、こうした異文化体験が、語学研修の醍醐味であるはずでしょう。しかし、保守的であった私は、障壁を乗り越えようという気概を備えていませんでした。

今回、こうして11名の語学研修参加者が集いました。各々で決意を固め、出発の日を迎えた生徒たちを頼もしく思います。りんご一つに愕然とした私とは、大違いであります。同時に、彼らの成長を一番近くで見ることができる私の立場に、大きな喜びを感じています。

さて、出国ゲートを通ってからの出来事を振り返ってみましょう。

利用する飛行機の到着遅れにより、出発が45分程度遅れました。バンクーバー国際空港への到着も同様に遅れるようですが、到着後の行程を調整し、支障なく行動できそうです。慌てなくてもカナダは逃げません。

搭乗まで時間が生まれたので、1時間程度自由に過ごすこととなりました。

いちごミルクを片手に、日本の電波環境に念入りに別れを告げる者。

窓際に着席する者。

視線の先には遅れてきたお世話になる飛行機の姿がありました。許してやってくれ。添乗員さんから、薄青色の機体の色の由来について質問が出されましたが、答えにたどり着くことができませんでした。ヒントはカナダの有名なものだそうな。ホストファミリーに会ったら、聞いてみよう。

落ち着いたのも束の間、そのときはやってきた。腕時計がない。高1の女子生徒が手荷物検査の際に、腕時計を紛失してしまったようです。バタバタしていたので、無理もありません。当事者とお友達と私とで、案内所へ向かいます。時計のメーカーや特徴を案内所の方に伝えると、電話で確認してくださいました。幸いにも忘れ物として保管してあるとのことでした。受け取り場所を案内されます。地図で示されましたが、正直判然としません。ただ、3人揃って頭に残った案内の言葉がありました。「ガラス張りのお部屋の前でお待ちください。」生徒も私も、頭の中は「ガラス張り」でいっぱいになりました。そこで、地図のイメージが判然としないまま、ガラス張りの部屋を目指したわけです。これが良くなかった。少しでも分からないことがあれば、すぐに尋ねなくてはなりません。こうして、たどり着いた「ガラス張り」がこちら。

たしかにガラスがふんだんに使われている。しかし、腕時計を持ってきてくれる人は現れない。しりとりをして待つこと20分。さすがにおかしい。そこで、少し歩く。

すると、美しい姿勢で起立し、トレイに腕時計を上品に載せた男性を発見しました。どれだけその姿勢で待っていてくれたのだろう。大変申し訳ない。こうして、腕時計は持ち主の手元に戻りました。結団式から10分程度で紛失してしまったわけで、腕時計もびっくりである。何はともあれ、国内での出来事でよかった。海外ではこうはいかないでしょう。そして、最大の教訓は、分からないことがあったら聞くということです。「ガラス張り」に過剰反応してしまった私も、お恥ずかしい限りです。

腕時計の帰還。しかし、後ろに見える部屋、ガラス張りではないような。いけませんいけません。人のせいにするのはいけませんね。

ハプニングはありましたが、幸いなことに悲劇的結末は避けられました。ということで、飛行機に搭乗し、バンクーバー国際空港を目指します。機内では、エンターテイメントを楽しんだり、お話をしたりして、生徒たちはフライトを楽しんでいる様子でした。

夕食は、チキンかビーフということでしたが、後方座席の我々に残された選択肢は、ビーフのみでした。大変美味しくいただきました。スウェーデン産のバターが格別でした。

夜な夜な、大きなペットボトルを片手に暗闇を歩いて水の提供をしにくる。そんな客室乗務員にいちいちビクビクしながら仮眠をとること数時間。

朝食です。おかゆかオムレツのどちらかを選択できました。私はおかゆを選びました。時速1000km/hで飛ぶ飛行機の中で、おかゆをすする自分の姿が急に滑稽に感じられ、一人で静かに笑いました。

道中に想いを馳せつつ、期待に胸膨らませる中、飛行機はバンクーバー国際空港に着陸しました。全員が健康な状態で飛行機の旅を終えられたことに、まずホッとしています。飛行機の遅れのため、急ぎ足ではありますが、次はビクトリアを目指します。

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